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 介護保険制度発足の背景
  介護保険制度が誕生した背景には、次のような
現代社会の状況があります。(これは介護保険制度が発足した当時の状況です。)
@ 65歳以上の高齢者が、2000万人を越えてその割合も
17%に達する。
A 今後も高齢者の割合が大きくなる。
B 高齢者の世帯で、単身者が17.6%、夫婦のみの世帯が26.1%と、子や若い世代との同居が少なくなってきている。
C そのため、高齢者が高齢者を介護するいわゆる「老老介護」世帯が増加している。
D 年金生活者の約半数が、月額35,000〜46,000円の国民年金受給者であり、経済面に余裕がない。
E 終末期の介護を受けるにあたって、
「自宅で家族の世話を受けたい」、または、「自宅で各種のサービスを受けたい」人が、合わせて56%にのぼる。
F実際には、病院などの施設で死亡する高齢者が、80%にのぼる。

 
介護保険制度のねらい
 このような状況を受けて考えられた介護保険制度には、次のような
ねらいがあります。
@ 収入に関わりなく平等に介護サービスを利用できる。
A 行政がサービスの内容を決める措置制度を改め、利用者がサービス内容と事業者を選べる。
B 社会全体で費用を負担する。
C 民間事業者の参入を認め、市場原理で良いサービスを安価に提供する。
D 家族介護者の負担を軽減する。

 介護保険制度の特徴
 このような、ねらいをもった介護保険制度には、次のような特徴があります。
@ 要介護の程度によって利用できるサービスの種類、金額が異なる。
A 介護サービス
を提供する会社を自由に選べる。
B 
ケアプランに基づいてサービスが提供される。
C サービスを受ける権利は、契約により守られる。
D 基本的に本人の一割負担でサービスが受けら
れる。

 介護保険制度のしくみ
 要介護認定と介護保険の利用
 介護サービスを受けたいときは、まず要介護認定の申請をします。介護保険を利用するためには、要支援1以上の要介護状態であることが必要です。
 要介護認定申請手続きは、本人または家族が最寄りの保健福祉センター(世田谷区の場合)で簡単に行うことができます。必要なのは介護を受ける人の介護保険証だけです。また、
NPOわかばなどの指定居宅介護事業所に電話で依頼すれば、必要な手続きを代行します。
 今回の制度改正での変更はありません。

認定までの流れは

 
申請をすると、区役所の職員や区役所が委託した認定調査員が、申請者を訪問して病気や日常生活のことなどの質問をします。その結果をもとにコンピュータによる一次判定が行われます。その後、専門家の介護認定審査会が開かれ、かかりつけ医の意見書を参考にしながら、要介護度の認定が行われます。
 今回の制度改正での変更はありません。

要介護度とは
 
介護認定審査会で@自立、A要支援1、B要支援2、C要介護1、D要介護2、E要介護3、F要介護4、G要介護5のどの区分に該当するかの審査をします。自立以外の区分に該当すると判定された場合は、各区分に応じた介護サービスを受けることができます。
 今回の改正では、これまでの要支援が要支援1に、要介護1に認定されていた人のうち要介護状態の維持や改善か可能と判断された人が要支援2に判定されます。
 自立と判定された場合は、介護保険制度による介護サービスは受けられませんが、その場合でも自治体によっては介護保険以外のサービスが受けられることがあります。(NPOわかばでも必要に応じて調査いたします。)
 要介護状態は、上記のAからG向かって重くなります。
 これらの介護度は、おおむね以下の身体状況を基準にしています。
 
介護状態区分 身体の状態(例) 使えるサービス
要支援 日常生活の能力は基本的にあるが、入浴などに一部介助が必要。 介護予防サービス
要支援2 立ち上がりや歩行が不安定。排泄・入浴など一部介助が必要。ただし、維持改善が可能。
要介護1 立ち上がりや歩行が不安定。排泄・入浴など一部介助が必要。 介護サービス
要介護2 立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄や入浴などで一部または全体の介助が必要。
要介護3 立ち上がりや歩行などが自力ではできない。排泄、入浴、衣服の着脱などで全体の介助が必要。
要介護4 排泄、入浴、衣服の着脱など日常生活に全面的介助が必要。
要介護5 意思の伝達が困難。生活全般について全面的介助が必要。

受けられるサービスの金額は

 
介護保険制度では、受けられるサービス金額の上限が在宅サービスと施設サービスに分けて決められています。
上限金額の範囲内のサービスを受けた場合は、その金額の一割が本人負担になります。ただし、支給上限金額を超えたサービスを受けた場合は、超過分はすべて利用者の負担になります。
 介護予防サービスと介護サービスの種類は、「サービスの種類」をご覧ください。

 介護予防サービスの支給額は、「サービスの種類」に載せてあります。通常の介護サービスの限度額は下記の通りです。


 自己負担としてサービス量額の一割のほか、食事代、美容理容代などの日常生活費等がかかりますので、施設ごとに問い合わせる必要があります。
例)世田谷区の施設では、食事の自己負担額は1食につき700円から1,100円ほどです。

注)単位とは

 
表中に何度も単位という語がでてきますが、これは通常の居宅介護とそれ以外のサービスに重み付けをして料金を算出するためです。介護保険サービスを提供する事業者の所在地ごとに1単位ごとの金額が違います。事業者が23区内にある場合は、賃金や家賃を考慮して1単位=11.26円です。

保険料と自己負担額の軽減
 低所得者は、収入の段階に応じて自己負担額に限度が定められています。下図の第1から第5段階に該当する場合は、自己負担額が軽減されます。

第1号被保険者(65歳以上)の保険料(世田谷区の場合)

保険料額の決め方は

 最初に基準額を定めます。基準額とは、1年間の介護保険サービスの利用の総量 と第1号被保険者の人数を基に算出した金額です。世田谷区の平成24年度の基準額は、「年額61,200円(月額5,100円)」です。

 基準額をもとに保険料区分ごとの保険料額を定めます。設定額の算出は、介護保険法により定められています。第 5段階と第6段階を区分する基準所得金額は介護保険施行令により定められています。

 どの保険料区分に該当するか、下記の表でご確認下さい。
 なお、段階の分け方と保険料は自治体によって異なります。

保険料区分 内容 設定額 年間保険料
平成24〜26年度
第1段階

生活保護受給者又は中国残留邦人等生活支援給付を受けている、
老齢福祉年金受給者で世帯全員が住民税非課税

基準額×0.5

30,600円

第2段階

本人及び世帯全員が住民税非課税 で合計所得金額と課税対象年金収入額が80万円以下

基準額×0.5

30,600円

第3段階

本人及び世帯全員が住民税非課税 で合計所得金額+課税対象年金収入額が80万円以上120万円以下

基準額×0.65

39,800円

第4段階 本人は住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税対象年金収入額の合計が120万円を超える 基準額×0.75 45,900円
第5段階

本人が住民税非課税で本人の合計所得金額と課税対象年金収入額の合計が80万円以下で世帯に住民税課税者がいる

基準額×0.90

55,100円

第6段階

本人が住民税非課税で本人の合計所得金額と課税対象年金収入額の合計が80万円を超えかつ世帯に住民税課税者がいる

基準額
1.00

61,200円

第7段階

住民税を課税されていて、合計所得金額が125万円未満

基準額×1.15 70,400円
第8段階

住民税を課税されていて、合計所得金額が125万円以上200万円未満

基準額×1.25 76,500円
第9段階 住民税を課税されていて、合計所得金額が200万円以上300万円未満 基準額×1.40 85,700円
第10段階 住民税を課税されていて、合計所得金額が300万円以上500万円未満 基準額×1.60 97,900円
第11段階 住民税を課税されていて、合計所得金額が500万円以上700万円未満 基準額×1.85 113,200円
第12段階 住民税を課税されていて、合計所得金額が700万円以上1,000万円未満 基準額×2.10 128,500円
第13段階 住民税を課税されていて、合計所得金額が1,000万円以上1,500万円未満 基準額×2.40 146,900円
第14段階 住民税を課税されていて、合計所得金額が1,500万円以上2,500万円未満 基準額×2.80 171,400円
第15段階 住民税を課税されていて、合計所得金額が2,500万円以上 基準額×3.20 195,800円

注)このほか、自治体ごとに独自の減額措置を実施していることがあります。詳しくは、各自治体の担当にお問い合わせください。
お問い合わせ先 NPOわかば 
           電話:03-5712-5185
 E-メール
npowakaba@kaigo-wakaba.jp